【連載】第6話|最初の一件

おざさのスマホに、通知が来た。

はじめての紹介だった。

フォームに届いたその一件は、
人の紹介だった。

FMひこねのパーソナリティ。
レイラック滋賀サポーター。
レレレレイ体操の考案者。

文章を読みながら、
おざさは少しだけ立ち止まった。

「ちゃんと、来た。」

第2話で決めたルール。
紹介されたら行く。

第4話で待った時間。
第5話で決めた、新しいルール。

それが、ひとつの形になった。

しがのは、動き始めている。

おざさは、すぐに返信を書いた。

丁寧に。
できるだけ軽く。
でも、ちゃんと伝わるように。

このサイトは、紹介されたら行くこと。
長い取材ではなく、短い時間で話を聞くこと。
無理をさせないこと。

まだ慣れていないことも、正直に書いた。

送信ボタンを押して、
少しだけ息を吐いた。

これで、次に進める。

――と思ってから、
少し時間が経った。

まだ、返事は来ていない。

おざさはスマホを見て、
また少しだけ考えた。

しがのは、
紹介されたら行く。

でも、紹介されたからといって、
すぐに会えるとは限らない。

人には都合がある。
タイミングもある。

それは当たり前のことだ。

おざさは、急がないことにした。

止まらないことと、
急ぐことは違う。

紹介が来た。
でも、まだ会えていない。

それもまた、しがのの一部だと思う。

この一件は、消えない。

つながっている。

時間がかかるだけで、
ちゃんと続いている。

おざさは、スマホをポケットに入れた。

次に動くのは、
きっともう少し先だ。

それまでのあいだも、
しがのは、止まらない。

紹介はこちらから。

最初の一件は、まだ途中にある。

最初の一件は、まだ途中にある。

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