【連載】第13話|入口を直したあとで

7月も半ばになった。

湖沿いを歩くには、少し暑い。
日差しは強くて、風があっても、すぐに汗が出る。

春に始めた頃とは、もう空気が違っていた。

しがのも、少し変わった。

大きく動いたわけではない。
誰かに会いに行けたわけでもない。
新しい訪問日が決まったわけでもない。

でも、入口を直した。

「店・人・場所」を広く受け取る形から、
「この人に会ってみて」という紹介を受け取る形へ。

紹介された人に、会いに行く。

その言葉を、サイトにも、紹介フォームにも、SNSにも置いた。

前から思っていたことではあった。

店にも、場所にも、活動にも、
その前には人がいる。

そこに立っている人。
続けている人。
作っている人。
誰かを待っている人。

だから、しがのは場所を集めるより、
人をたどるほうが自然なのかもしれない。

そう思って、第12話を書いた。

そのあとで、言葉を少しずつ直した。

紹介フォームの入口を直した。
Instagramの固定投稿を直した。
ハイライトも見直した。
Xの見え方もそろえた。
プレスリリースにも、今の方針を残した。

ひとつひとつは小さな作業だった。

でも、終わってみると、
しがのの向いている方向が前よりはっきりした気がした。

何を待っているのか。

それが、分かりやすくなった。

前は、少し広かった。

「ここ行ってみて」
「この店どう」
「この場所いいですよ」

それも、しがのらしいと思っていた。

今も、そういう紹介を全部外したいわけではない。

でも、最初の入口は人にしたい。

「この人に会ってみて」

その一言のほうが、次の一歩が見える。

会いに行く相手がいる。
話を聞ける人がいる。
その人の仕事や店や活動を見られる。
最後に、次に会ってみたい人を聞けるかもしれない。

人から人へ。

しがのは、たぶんそのほうが続く。

入口を直したからといって、
すぐに紹介が増えるわけではない。

フォームを整えたからといって、
その日のうちに誰かから連絡が来るわけでもない。

固定投稿を変えたからといって、
明日すぐ訪問が決まるわけでもない。

それでも、直してよかったと思った。

なぜなら、
次に誰かがしがのを見た時に、
何を送ればいいのかが前より分かるから。

滋賀で会ってほしい人。

その一人を思い浮かべてもらえたらいい。

店主さんでもいい。
職人さんでもいい。
作家さんでもいい。
地域で活動している人でもいい。
何かを続けている人でもいい。

有名かどうかは、あまり関係ない。

誰かの中に、
「あの人、いいですよ」
があるなら、それでいい。

おざさは、しがのの入口を直しながら、
待つことの形も少し変わった気がしていた。

前は、ただ待っていた。

紹介が来るのを待つ。
返事が来るのを待つ。
動き出すのを待つ。

でも今は、少し違う。

待つ場所を、こちらで整えた。
来た紹介を受け取れるようにした。
会いに行く前提を、言葉にした。

それでも待つことに変わりはない。

ただ、前よりも、
何を待っているのかが分かっている。

それは小さいけれど、
続ける上では大きいことなのかもしれない。

しがのは、急がない。

でも、止まりたくはない。

何も起きていないように見える日にも、
入口を直したり、言葉をそろえたり、
次に来る一件のためにできることはある。

今日も、まだ誰かに会いに行けてはいない。

でも、前より少しだけ、
会いに行ける形には近づいた。

紹介された人に、会いに行く。

その入口は、もう開いている。

もし、あなたの中にも
「この人に会ってみて」
と思い浮かぶ滋賀の人がいれば。

その一人を、教えてください。

急がず、でも止まらず。
しがのは、今日もそのくらいの感じで続いている。

この記事を読んだ方へ

滋賀で 「この人に会ってみて」 と思い浮かぶ人がいれば、教えてください。

店主さん、職人さん、作家さん、地域で活動している人など。 名前がはっきり分からなくても大丈夫です。 紹介されたら、実際に会いに行き、 その人の仕事・店・活動・場所を写真と文章で残します。 紹介されたら、実際に会いに行って、訪問後7日以内に記事にします。

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