【連載】第12話|人に会いに行く
7月になった。
湖沿いを歩く人の服装は、もうすっかり夏に近い。
日差しは強くなって、少し歩くだけでも汗が出る。
春のあいだ、しがのは静かだった。
最初の紹介も、
そのあとに届いた紹介も、
まだ会えてはいない。
予定は決まっていない。
「行ってきました」という報告も、まだない。
それでも、何も考えていなかったわけではなかった。
おざさはこのところ、
しがのは何を紹介してもらうサイトなのかを考えていた。
始めた時は、
店でも、人でも、場所でも、体験でもいいと思っていた。
「ここ行ってみて」
その一言を受け取って、実際に行く。
それが、しがのの形だった。
その考えは、今も変わっていない。
でも、しばらく続けてみて、
少しだけ分かってきたことがある。
場所は、そこにある。
店も、そこにある。
でも、紹介はたぶん、
人から人へ渡るものなんだと思う。
「この場所がいいよ」よりも、
「この人に会ってみて」のほうが、
次につながる感じがある。
店を紹介してもらっても、
その店の奥には、たいてい人がいる。
作っている人。
続けている人。
待っている人。
毎日、そこに立っている人。
会社にも、サービスにも、活動にも、場所にも、
その前に人がいる。
それなら、しがのは、
最初から人に会いに行く形のほうが自然なのかもしれない。
おざさは、そう思った。
紹介された人に、会いに行く。
その人の仕事を聞く。
店を見せてもらう。
活動のことを少しだけ聞く。
その人がいる場所の空気を、写真に残す。
長い取材ではない。
写真を撮って、
短く話を聞いて、
その人がいる場所の感じを残す。
それくらいの距離感が、しがのには合っている。
しがのは、有名な人を探したいわけではない。
すごい実績がある人だけを、
順番に紹介したいわけでもない。
誰かがふと思い出して、
「あの人、いいですよ」と言う。
その一言をたどっていきたい。
店主さんでもいい。
職人さんでもいい。
作家さんでもいい。
地域で活動している人でもいい。
名前がはっきり分からなくてもいい。
「〇〇駅の近くで、こんなことをしている人」
「〇〇のお店の店主さん」
「いつもあそこで何かを続けている人」
それくらいの紹介でもいい。
そこから、会いに行ける形を探していく。
考えてみると、
最初に届いた紹介も、人だった。
FMひこねのナツカさん。
レイラック滋賀のサポーターで、
レレレレイ体操を考えた人。
まだ会えてはいない。
でも、しがのがどこへ向かうのかを考えるうえで、
その最初の紹介は、たぶん大きかった。
最初の一件が、人だった。
それは偶然かもしれない。
でも今は、
その偶然に少し背中を押されている気がする。
人に会いに行く。
そう決めると、しがのの形が少しはっきりした。
店や場所を外すわけではない。
むしろ、人に会いに行けば、
その人の店も、場所も、仕事も、活動も、
自然に一緒に見えてくる。
入口を、人にする。
それだけのことなのに、
前より少し進みやすくなった気がした。
おざさは、しがのの言葉を少し直した。
「紹介されたら行く」は、そのまま残した。
でも、これからはもう少しはっきり言う。
紹介された人に、会いに行く。
滋賀で「この人に会ってみて」と言われた人を訪ねる。
その人の仕事や店や活動や場所を、写真と文章で残していく。
それが、これからのしがのの形になる。
まだ訪問日は決まっていない。
まだ、会えていない人がいる。
それでも、進んでいないわけではない。
少しずつ、何をしたいのかが見えてきた。
しがのは、場所を集めるサイトではなく、
人をたどるサイトになっていくのかもしれない。
もし、あなたの中にも
「この人に会ってみて」
という滋賀の人がいれば。
その一人を、教えてください。
急がず、でも止まらず。
しがのは、今日もそのくらいの感じで続いている。
この記事を読んだ方へ
「この人、どう?」
「あの人に会ってみてほしい」
と思い浮かんだ滋賀の人がいれば、教えてください。
紹介されたら、実際に会いに行き、写真と文章で記事にします。
この記事を読んだ方へ
滋賀で 「この人に会ってみて」 と思い浮かぶ人がいれば、教えてください。
店主さん、職人さん、作家さん、地域で活動している人など。 名前がはっきり分からなくても大丈夫です。 紹介されたら、実際に会いに行き、 その人の仕事・店・活動・場所を写真と文章で残します。 紹介されたら、実際に会いに行って、訪問後7日以内に記事にします。
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